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「危機感」育成は通用しなくなっている。


「危機感」をもって、「厳しさを伝える」。

これは研修を企画する際にコンセプトとしてよく使われる言葉です。

「できていないことを自覚させる」

「周りの評価を自覚して内省させる」

というものも同じコンセプトだといえるでしょう。

しかし最近、私が思うのは、こういうコンセプトは社会が「寛容」な時代に通用するものであり、現在のような「ストレス」社会の中ではなかなか難しくなってきているように感じます。

「危機感」を持つということは、それだけ「感情の余裕」がなければならないのです。

最近、は老いも若きも「イライラ」している人が多すぎるように思います。

「ストレス」を持っている人はその「ストレス」という無意味な感情が心の大部分を占めていて、他の「感情」を持つ余裕がないのです。

「働き方改革」もそうした「ストレス」を解決する「余裕」をつくるための考え方でもあると思うのですが、「感情=心」の問題は物理的なアプローチ(時間的余裕)だけでは効果がありません。

ダイレクトに「感情」にアプローチする必要があります。

「危機感」を与えるということは、荷物(無駄なものを含めて)を両手一杯抱えている人にさらに荷物を持たせることで、大体の場合はその荷物(危機感)を持つことを拒否するでしょう。

それが「危機感」を持たせるということを難しくさせています。

なので、まずは荷物(ストレス)の整理からはじめることがポイントだと私は考えています。

最初に、自分の感情がどういう状態になっているかを「知り」、そのうえでその感情を「整理」し、感情=心の「余裕」をつくる。

そうしてはじめて「危機感」という荷物が持てるようになるのです。

既存の研修は「考え方」や「姿勢」に対するものは多いですが、「感情」にアプローチするものは少ないのが現状です。しかし、最近はアプリケーションや分析ツールなどで従業員の心理状態を把握しようとする流れもできはじめています。

日本は心理的なアプローチをする研修を嫌がる傾向がありますが、社会が大きく変容している今、研修に対する考え方も変えていくタイミングではないかと思っています。

私の研修ではKOTSUという心理分析ツールを使って、参加者の心理状態を把握する方法をとっています。

来年はさらにこの方法を研修や、自己学習にまで発展させようと考えています。

「感情」を「知り」「整理」する。

そうすることでより学ぶために「心的余裕」を生み出せる。

それこそが「真の働き方改革」だと私は思います。

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